一ヶ月とこころと形

06/29, 2006


飛行場で預けたはずの荷物は、座席の前に積まれてあった
小さな空港の水色の壁
大きいマルのサングラス、白いモジャひげに帽子の運転手
橋が壊れていてトンチャイタイ村へは毎回川を歩いて渡った
レストラン『パンダ』の暗いあかり
餅米は手で千切ってパンのように
市場で食べたカオピアックとカオソーイ
真っ暗の中皆で手をつないで渡った川
蛍の光しか見えない凸凹道
蚕場でみた細い黄金い糸
ひとり一人おまじないしながら結んでくれた手紬の糸
何度もつがれたラオラオ
酔っぱらって歌わされた歌
大笑いしながら話してくれた昔の恋話
毎回味が違うフルーツミックスジュース
クラブ長につくってあげた革スリッパ
トッケイ、トッケイとほんとに鳴いた「トッケイ」

土砂降りの雨の中、合羽を着て歩いた、時期は雨期の始め
出たり出なかったり気まぐれのシャワー
何でもつくってしまうヒアン、そして彼が未来に抱く大志と希望
レンテンの町への山道往復4時間
バナナの皮をトラックから放りなげた
弥生時代のような田んぼの景色
衣装を着たレンテン族
レンテンの布にある風合い
レンテン族の奥ゆかしさ
レンテンの味は日本に近い、ここでは手でなく箸で食べた
鳥の羽が付いた鞴(ふいご)のかたち
藍の畑の大きな蟻塚には精霊やどっているらしい

葛の葉から出てくる白い繊維
そして、それを縒ってできる細い糸
簡単な竹の道具
村のみんなで撮った写真
陽気なクラブ長

ラオスから帰ってきて一ヶ月。
ここにあるのはほんの一部。本当の内はうまく言葉にならない。

其処にある生きる力。
色々なモノはどうでもよくなる。
必要なモノは少し。
平等なのは一日の長さが24時間。
全てをなくしてみて、そこから始めてみてはどうだろう。

自分の中にある手と心と24時間。
それだけが本当のところだと最近思う。

June 29, 2006 6:13 PM

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