7200円のジョギングシューズ
01/14, 2006
小学生の時、靴といえばスポーツタイプのヒモ靴だった。
よく覚えているのが、グレーのナイキのシューズ。
おそらく母の中では予算オーバーであったであろう
7000円ほどのかっこいいと思える靴だった。
僕の家は玩具を買ってくれない家だったから、
そのくらいの贅沢をさせてくれてくれたのだろう、と今になって思う。
持ち帰ったうれしさは相当な物で、何度も家中を履き回ったものだ。
寝るときも、側に箱をおいて布団に入る。
浮ついた心を抑えて儀式をするのだ。
さて、今日何年ぶりかに靴を新しく買った。
アシックスのジョギングシューズだ。
そのうちいつか買おう、と思ってなんとか持ち前の靴でごまかしていたのだけど
折角続いてきたのだから、と思ってようやく手に入れることにしたのである。
白地に紺のラインが入った靴、最近の靴はとても軽くてクッションが効いている。
「よく走れますよ」
はじめて足入れをした新鮮な気持ちに
あのときの靴のことを思い出した。
グレーの靴は昼休みに毎日サッカーをしたおかげで
親指のところだけ穴が空いた。
残念とも思わずしばらくずっとそのままでいたような気がする。
January 14, 2006 10:08 PM
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